東京高等裁判所 昭和56年(行ケ)206号 判決
被告において明らかに争わないので、自白したものとみなされる本件審決の理由の要旨によれば、本件商標登録の取消の審判の請求は、第一一類の指定商品のうち「電線、ケーブル及び電気材料」を除いた指定商品についてされたものであるところ、審決は、右のとおり除外されている「電気材料」に含まれる商品である「絶縁がい子」(商標法施行規則別表第一一類の項参照)について、本件商標が使用されている事実を認定したのみで、この使用の事実に基づいて、本件審判の請求を排斥したことが明らかである。
しかしながら、商標法第五〇条第二項の規定によれば、商標登録の取消の審判の請求があつた場合においては、その審判の請求の登録前三年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを、被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品に係る商標登録の取消を免れないことが明らかであるから、この規定の解釈適用を誤つた本件審決は、違法として取消を免れない(なお、同項ただし書の規定に該当する事実を認めうべき証拠もない。)。
よつて、商標登録の取消の審判の請求に係る指定商品以外の指定商品についての使用事実をもつて、その請求を排斥した審決を違法として、その取消を求める本訴請求を認容する。